技術選定からリリース判定までを一つの流れで支援する
このサービスの3つのメニューは、導入方針と技術選定から、開発中の推進、受入・リリースまでを切れ目なくカバーしています。一般に、方針を決める担当と開発を管理する担当が分かれていると、選定時に置いた前提や懸念が開発の現場に伝わりにくくなります。方針策定で整理した要件や評価の前提を、開発中の設計レビューや受入基準の策定にそのまま引き継げることが、一貫して支援する意味です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | システムの新規構築・刷新・改善を計画または進行中で、発注者側でプロジェクトを主導する人材が不足している中堅・大企業(窓口は情報システム部門・DX推進部門、またはプロジェクトを主管する業務部門) |
| 解決する課題 | 要件定義を主導する担当者がいない、開発ベンダーの提案や見積りを評価できない、プロジェクトの遅れの原因が見えない |
| 支援内容 | 導入方針・技術選定コンサルティング、開発チームの推進(PMO支援)、デリバリー管理 |
| 期間の目安 | 方針・計画策定まで平均6週間、開発期間中のPMO支援は月単位 |
| 成果物 | 現状整理・課題レポート、実施方式・技術選定の比較表、開発計画書・WBS、RFP・ベンダー評価表(必要な場合)、進捗・品質レポート、受入基準・リリース判定資料 |
| 体制 | PM/ITコンサルタント1名、必要に応じてアーキテクト/技術担当1名(会議・資料・連絡はすべて日本語) |
CHALLENGES
新しい業務システムの構想はあるものの、業務部門へのヒアリングから要件定義までを主導できる担当者が社内にいない。
技術選定やシステム構成が固まらず、内製・外部委託・その組み合わせのどれで進めるべきかも決めきれていない。
開発ベンダーから届いた提案書や見積りが妥当かどうかを評価する基準を持っていない。
プロジェクトが遅れているのに、どこで何が詰まっているのかが見えない。
要件変更が頻繁に起き、設計書が十分にそろわず、受入基準も関係者の間で統一されていない。
発注者側のPMが調整や突発的な問題への対応、要件の確認に追われ、プロジェクト全体の管理に手が回らない。
最初の4項目は、バイナリテックジャパンがこのサービスで支援の対象としている状況で、最後の2項目は、後述するA社の案件で支援開始時に実際に起きていたことです。一般に、発注者側で要件や受入基準を決める役割が空いたままだと、確認作業と手戻りが開発の後半に集中し、遅延の原因も見えにくくなります。開発の担い手を増やすだけでは解決しにくいのはこのためで、発注者として判断し、推進する役割そのものを補う必要があります。
SERVICE MENU
プロジェクトの初期に、何を、どの方式で、どの技術で作るかを決めるためのメニューです。バイナリテックジャパンは業務部門へのヒアリングで業務要件を整理し、そのうえで実施方式(内製・外部委託・その組み合わせ)と、技術選定・アーキテクチャの方向性を検討します。ヒアリングはプロジェクトの担当者と業務部門を対象に1回60〜90分で行い、回数は範囲によって変わりますが平均4回です。
検討の結果は、選択肢を並べた比較表にまとめます。評価軸は要件への適合度、コスト、運用、保守性、リスクの5つで、各案の長所と懸念を同じ尺度で見比べられるようにします。比較表の形にするのは、最終判断をするお客様の意思決定者が、選んだ理由を社内で説明できるようにするためです。
外部委託する場合は、RFP(提案依頼書)の作成と、開発ベンダーから届いた提案・見積りの評価も支援します。一般にRFPは、発注者の要件や前提条件を複数のベンダーに同じ形で伝えるための文書で、提案を同じ条件で比べやすくする役割があります。このメニューを終えると、どの方式と技術で進めるのか、どの提案が要件を満たしているのかを、根拠とともに判断できる状態になります。
このメニューでは、開発が始まってから、お客様の社内開発チームや契約中の開発ベンダーをバイナリテックジャパンが発注者側から推進します。開発計画とWBSを作成し、定例会議を主催して、課題・リスク・要件変更を管理します。あわせて設計レビューを行い、業務部門と開発チームの間に立って、業務上の意図が設計と実装に正しく伝わるよう橋渡しをします。
管理にはWBS、課題・リスク管理表、設計レビュー記録を使い、プロジェクト管理ツールはお客様がすでに利用している環境に合わせます。一般に、支援のためだけに新しいツールを持ち込むと情報の二重管理が起きやすく、支援終了後に運用が途切れる原因にもなるため、既存の環境に載せる方が定着しやすくなります。このメニューによって、誰がいつまでに何を決めるべきか、どの課題がリリースに影響するかを、発注者側で把握できるようになります。
デリバリー管理は、開発の成果物を計画どおりの品質で受け取り、リリースまで導くための支援です。バイナリテックジャパンは進捗と品質を追跡し、テスト計画と受入基準を策定したうえで、受入確認、リリース判定、移行計画までを担当します。使う手法は、週次の進捗・品質レポート、受入基準、リリース判定チェックリストです。
一般に、受入基準を開発の終盤になってから決めると、何をもって完成とするかの認識違いがテスト段階で表面化し、手戻りが大きくなります。テスト計画と合わせて受入基準を定め、チェックリストに沿って判定することで、リリースしてよいかどうかを合意済みの基準に照らして判断できるようになります。
PROCESS
支援期間の目安は、方針・計画策定(STEP 1〜2)まで平均6週間、開発期間中のPMO支援(STEP 3)は月単位です。STEP 1〜2だけ、または開発中のPMO支援だけを切り出して依頼することもできます。
依頼の入口は、新規の構想でも進行中の案件でもSTEP 1で、その後は方針から作るか、PMO支援だけにするかを判断します。STEP 2では必要に応じてRFP作成とベンダー選定を挟み、方針と計画が承認されてから開発の推進に進みます。
目的は、プロジェクトの現状と目指す姿について、お客様とバイナリテックジャパンの認識をそろえることです。ヒアリングを行い、目標、支援範囲、体制、プロジェクトの現状を確認します。期間の目安は2週間です。お客様には、意思決定者と窓口担当者の指名と、計画書、ベンダーとの契約書、設計資料(ある場合)などの資料共有をお願いしています。目標と支援範囲が確定した時点で、STEP 2に移ります。
目的は、何をどの方式・技術で作り、どのような計画で進めるかを決めることです。要件を整理し、実施方式と技術を選定したうえで、必要に応じてRFPの作成とベンダー選定を行い、開発計画をまとめます。期間の目安は4〜6週間です。お客様には、業務部門のヒアリングへの参加と、意思決定者による方針の承認をお願いしています。方針と開発計画が承認されることが、開発推進の段階へ進む条件です。
目的は、開発期間を通じて進捗・品質・課題を発注者側で管理し、計画どおりにテスト完了まで導くことです。定例会議の運営、課題・リスク管理、設計レビュー、進捗・品質の報告を継続して行います。期間は開発期間に合わせた月単位です。お客様には、開発チーム(社内開発チームまたは開発ベンダー)が定例会議に参加できるようにしていただく必要があります。計画したテストが完了したら、受入・リリースの段階に入ります。
目的は、成果物を受け入れてリリースし、運用へ引き継ぐことです。受入確認、リリース判定、移行、運用への引き継ぎを行います。期間の目安は2〜4週間です。お客様には、業務部門の受入への参加をお願いしています。リリースと運用への引き継ぎが完了した時点で、このステップを終えます。
支援の終了後は、プロジェクトにAIの要素がある場合は「DX・AI導入コンサルティング」へ、またはリリース後の運用・改善の支援へとつなげることができます。
DELIVERABLES
成果物 01
成果物 02
成果物 03
成果物 04
成果物 05
成果物 06
成果物はPowerPoint、PDF、Excel、Wordなどの形式か、お客様の管理ツール上で作成します。一般に、比較表や判定資料のように判断の過程が残る資料は、後から方針を見直すときや、担当者が交代したときの引き継ぎにも役立ちます。
TEAM
バイナリテックジャパンからは、PM/ITコンサルタント1名が窓口となり、会議の主催とプロジェクト管理を担当します。技術選定や設計レビューで技術的な判断が必要な場面では、アーキテクト/技術担当1名が加わります。会議、資料、連絡はすべて日本語で行います。
このサービスは、開発要員の提供(SESや人材派遣)とは性格が異なります。一般に、SESは技術者の作業や稼働に対して対価が決まる形で利用されることが多く、人材派遣は派遣先が派遣労働者に指揮命令を行う仕組みで、仕組みは異なるものの、どちらも開発の担い手となる人員を確保するための形態です。これに対してバイナリテックジャパンは発注者側に立ち、一人分の作業時間を提供するのではなく、開発計画、レポート、受入基準といった成果物を定めて支援します。最終的な意思決定の権限はお客様にあり、バイナリテックジャパンは選択肢とその根拠を示す役割を担います。

FEATURES
このサービスの3つのメニューは、導入方針と技術選定から、開発中の推進、受入・リリースまでを切れ目なくカバーしています。一般に、方針を決める担当と開発を管理する担当が分かれていると、選定時に置いた前提や懸念が開発の現場に伝わりにくくなります。方針策定で整理した要件や評価の前提を、開発中の設計レビューや受入基準の策定にそのまま引き継げることが、一貫して支援する意味です。
すでに開発ベンダーと契約している場合も、お客様とベンダーの契約はそのまま維持します。プロジェクトの進め方については、バイナリテックジャパンはお客様(発注者)の側に立ち、お客様の基準と利益に沿って進捗、品質、要件変更を管理します。一方で、ベンダーの提案や成果物を評価する場面では、特定のベンダーに肩入れしない中立の立場をとります。契約を組み替える必要がないため、体制を大きく変えずに支援を始められます。
このサービスは、技術の議論から入るのではなく、業務部門へのヒアリングで業務要件を整理するところから始めます。対象業種に制限はなく、物流・製造・小売以外のプロジェクトにも対応していますが、最も経験が深いのはこの3業種です。このほか、バイナリテックジャパンはDX・AI導入コンサルティング、AI・AIエージェント開発のサービスも提供しています。
RELATED
A社は従業員約50名のEC事業者で、相談の窓口はIT・開発部門、EC運営部門も連携して参加しました。A社はECプラットフォームの開発と改善を進めていましたが、進捗管理、品質管理、開発チームと業務部門の連携がうまく回っていませんでした。要件変更の頻発、設計書の不足、受入基準の不統一により、A社のPMは調整や要件確認に追われ、プロジェクト全体の管理が行き届かない状態でした。
本案件で推進の対象になったのは、A社の社内開発チームと、A社が契約する開発ベンダーの両方で、BA、開発者、テスターが含まれます。バイナリテックジャパンはまず現行の開発プロセスを分析し、要件定義・設計・開発・テストのどこで詰まっているかを特定しました。そのうえで進捗・課題・リスク・変更要求の管理プロセスを整え、バックログ、受入基準、Definition of Done(完了の定義)を標準化しました。基本設計と詳細設計のレビューでは例外ケースや機能間の依存関係を明確にし、A社、BA、開発者、テスターの間の調整、成果物の品質確認、定例レビュー、リリースに影響する課題の管理も担いました。
本案件を進めるなかでは、大きく3つの壁があり、それぞれ次のように対応しました。
1つ目は業務要件のあいまいさです。要件が複数の経路でやり取りされ、一部の処理条件は開発やテストの段階で初めて明らかになっていました。一般に、処理条件が後から判明すると、作り終えた機能の手直しが発生し、スケジュールにも影響が及びます。そこで要件を一つのバックログに集約し、業務ルールを明確にする会議で決定事項を記録したうえで、開発に入る前に受入基準を定める流れに改めました。
2つ目は機能間の設計の不整合です。データ、API、例外処理の解釈がメンバーによって異なっていました。これに対して、設計レビューのチェックリスト、インターフェースと依存関係の洗い出し、設計規約の統一を行い、開発に移る前に設計書を更新することを条件にしました。
3つ目は進捗と品質の見通しの立ちにくさです。課題の発見が遅れ、報告が機能の実際の状態を十分に反映していませんでした。そこで成果物単位で進捗を追い、課題とリスクを影響度で管理し、設計レビューと早期のテストを組み合わせて、リリース前に問題を見つけられるようにしました。
支援期間は3か月で、体制はA社側5名、バイナリテックジャパン2名でした。期間中にヒアリングを8回、設計レビューを12回実施しています。結果として、開発前に要件が明確になっていた割合は60%から90%に上がり、開発開始後に見つかった設計上の課題は30%減り、変更要求1件あたりの平均処理時間は20%短くなりました。これらは、新しいプロセスを適用する前の最初の4週間をベースラインとし、3か月目の終わりに再評価した数値で、両方の期間で指標の定義、プロジェクトの範囲、計算方法をそろえて比較しています。
数値以外にも、本案件では定性的な変化がありました。要件と変更の管理プロセスがIT部門と業務部門の間で統一され、設計上の課題や機能間の依存関係が以前より早く見つかるようになりました。また、進捗・品質・リスクを追いやすくなり、要件の確認や設計の手戻りにかかる時間が減ったことで、本案件では計画どおりの納品に向けて管理しやすい状態になりました。なお、これらはA社のプロジェクトでの結果であり、他のプロジェクトで同じ数値や変化が得られることを示すものではありません。
システム開発にAIの導入を含める場合や、既存システムを活かしたまま機能を強化したい場合は、次のソリューションページもあわせてご覧ください。
FAQ
できます。その場合も、進行中のプロジェクトを対象にSTEP 1の現状把握から始めます。計画、ベンダーとの契約、設計資料などを確認して現在の状況を整理したうえで、支援の範囲を決めます。
料金は公開しておらず、範囲に応じて個別にお見積りします。STEP 1〜2は固定価格で、対象となるシステムの数、関係する部門の数、RFPの作成を含むかどうかによって金額が変わります。STEP 3〜4の開発期間中のPMO支援は月額固定で、定例会議の回数や参加人数といった関与の度合いによって決まります。PMO支援の最小契約単位は1か月です。初回のご相談で、支援範囲と概算費用をご説明します。
標準では、バイナリテックジャパンは開発ベンダーに対して中立の立場をとります。ただし、お客様からご要望があれば、プロジェクトの開発部分もあわせてお引き受けできます。その場合、バイナリテックジャパンはベンダーを評価する第三者の立場ではなくなります。